あるコーチ陣が、新しいツールで独自のバスケットボール哲学と理論をもたらし、日本のバスケットボール界に旋風を巻き起こしています。 

これは、ライジングゼファー福岡におけるスポーツ分析の新時代の物語です。


モンチョ・ロペス (ラモン・ロペス・スアレス) ヘッドコーチとイザベル・レモスアシスタントコーチは昨シーズン開始前にライジングゼファー福岡に就任、B2 リーグでの最終成績は 11 位でした。ほぼ最下位に近い成績だったことから、2023-24 シーズンを前にチームは変革を迫られました。

「私たちは昨シーズンに福岡に来て、ライジングゼファーのチーム哲学を変え、成績を上げるというプロジェクトのために就任しました。クラブには足りないものがたくさんあったからです」とレモスコーチは述べています。「クラブでは結果を出すのに必要なものが不足していると分かったので、新シーズン前にさまざまな対策を行いました。スタッフの増員、リソースの増強、そしてチームで使える新しいツールを導入しました。その結果、今は順位が上がってきています。」

コーチはモンチョ・ロペス、浜口炎、又吉佑、そして私イザベル・レモスの 4 人で、クラブの目標達成のために一丸となって指導しています。

ライジング ゼファー 福岡の新ヘッドコーチ、モンチョ・ロペスは、チームに適応させたい新しいバスケットボールのスタイルについて明確なビジョンを持っています。

新時代のための新しい哲学「止まらないバスケットボール」

ライジングゼファーに新時代をもたらすために、コーチ陣は「止まらないバスケットボール」という哲学を掲げました。 

レモスコーチはこう説明します。「止まらない、つまり動き続けるバスケットボールとは、コートで起きていること全てを意識して、チーム全員ですぐに対応できるということです。これは、オフェンス・ディフェンスの両方に当てはまります。 

これは選手にとってコートでの判断の新しいアプローチなので、導入にあたっては新しい情報やコミュニケーションの方法をたくさん学ぶ必要がありました。そのためには、言葉での説明に依存するのではなく、視覚化して見せる必要があるので、映像やデータの分析がより重要になりました。」

福岡に本拠を置くプロバスケットボールチームは、新しいコーチの任命と新しい哲学を受けて成長を続けている。

ライジングゼファーの新しい対戦チーム分析

レモスコーチとモンチョ・ロペスヘッドコーチは InStat を長年使っていたので、この映像・データ分析ツールを福岡に持ち込みました。 

レモスコーチはこう述べています。「InStat があれば、利用できる全データと映像を同時に手元に置くことができます。これはチームにとって非常に重要です。最近は、InStat の使い方も広がりました。まず、対戦チームのプレイスタイルを分析、次に各選手の強みや弱点を見ます。」

InStat のスタッツ機能は業界最高峰であり、対戦チーム分析において、十分な情報を得たうえで詳細に判断できるデータと映像をライジングゼファーに提供しています。 

「私たちは、InStat を対戦チーム分析のための検索ツールとして使っています。」とレモスコーチは述べています。「たとえば、対戦チームのプレイスタイルを調べると、オフェンスのポゼッションの 25% がトランジション (攻守の切替) で走っているなどということが分かるのです。ですから、その場合は、フルコートオフェンスに対するディフェンスを意識して対戦すべきだということが分かります。 

データ分析の後、更に詳しく分析することもできます。このようなポゼッションで成功しているプレーは何か、25% の時間走って何点取っているのか、どのように点を取っているのか。相手に対するディフェンスを考える上ではこういう分析が重要なのです。 

ライジングゼファーは常に止まらず進化を続けるチームでありたいと考えています。ですから、常に心と体を鍛えて、目の前の相手に合わせて対応できる選手を育てていきます。」

相手の偵察に使用される InStat プラットフォーム - つまり、相手のボールハンドリング率の統計.
愛媛オレンジバイキングスの相手分析用インスタットショットチャートで、相手選手が行ったハンドオフをすべて表示。チャートを変更して、各相手プレーヤーのアクションの数を、ショットの種類やボールがショットされた手の部分に至るまで表示できます。

視覚化により対戦チーム分析を改善

対戦チーム分析が終わったら、コーチ陣の次の仕事は情報をできる限り速やかに選手へ伝達することです。

Hudl.com のプラットフォームを活用して、編集した映像パッケージを選手全員に見せたり、個別に見せたりしています。」とレモスコーチは述べています。「練習の直前に映像を見せるので、コートにいるときも重要なポイントを思い出しやすいのです。ロッカールームのモニターでもHudlの映像を見せています。」 

ライジングゼファーのコーチ陣は、練習や過去の試合の映像をさまざまな方法で加工して、改善が必要なポイントの指導に活用しています。

レモスコーチはこう述べています。「映像分析により、いつでも対戦チームのスタイルを確認できます。攻撃主体のチームか、走ってくるチームか、セットプレイがメインのチームか、インサイドが強いチームか、オフスクリーンが得意なチームか。

対戦選手のオフェンスの映像をビューして、インサイドのボールが取れる方法、ポストアップ、ピックアンドロールに対する相手のディフェンス、ポイントガードの動き、シューターのハンドリングなどを分析します。このような分析が、相手チームに対するディフェンススタイルを判断する際のエビデンスになるのです。

ライジングゼファーの哲学にとっては、対戦チームのディフェンススタイルの分析も重要です。試合中ずっと動き続け、相手チームのディフェンスに対するベストソリューションを探し続けるのですから。」 

対戦相手に合わせたベストソリューションの見つけ方

対戦相手に合わせたベストソリューションを見つけるために、ライジングゼファーのヘッドコーチは Hudl Assist プラットフォームを使ってリーグ各チームの映像を比較しています。

Hudl Assist は、リーグの他チームの過去のパフォーマンスを詳しく調べて、勝利をもたらすインサイトを導くことができるデータベースです。

「ここで見るべきポイントは、ポゼッション数とポゼッションごとの得点の 2 つです。これをリーグ内の他チームと比較します。」とレモスコーチは説明しています。「この 2 項目により、自分たちのポゼッションの回数をきちんと選択できているかなどが分かります。」

止まらないバスケットボールをするために重要な統計指標としては、ターンオーバー、アシスト、シュート選択、シュート率などが挙げられます。

「InStat は対戦選手個人の分析にも非常に有用です。選手 1 人の 5 シーズン分の情報を見ることができるのですから。対戦相手分析においては、これは非常に強力で信頼できる情報です。」とレモスコーチは述べています。「1 試合、2 試合の分析では足りないのです。多くの試合を分析すれば、対戦チームのある選手が左利きであるにもかかわらず、ピックアンドロールのときは右へ動く傾向があることなどが分かるのです。100 例、200 例と分析することで、このような情報を得ることができるのです。

対戦選手個人の分析では、入手できる情報の質がすべてを左右します。」

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